素顔は秘密ーわたしだけのメガネくんー
ー君しか見せたくないからー
それからの放課後は
だんだんと自然に “ふたりの習慣” になっていった
授業が終わる頃には
お互いに言わなくても「またあの場所で」って分かるようになっていた
今日もまた
裏庭の隅のベンチにふたりで並んで座る
「…今日もお疲れさま」
「お疲れさま」
葵くんはいつものようにメガネをゆっくり外し
私の前で、素の顔を見せてくれる
何度見ても、やっぱりドキドキする
「……ほんとに、慣れないな」
「何が?」
「君の顔、見るたびドキドキするの」
私がそう言うと
彼は少しだけ目を細めた
「ふふ……そうやって素直に言うから、余計可愛い」
また…ずるいことを言う
でも、こうして素直に好きって思う気持ちは
止められなくなっていた
「でも、さ」
葵くんがふっと真剣な目を向けてくる
「……本当に、他の人には絶対言わないでね」
「もちろんだよ。誰にも言わない」
私が強く頷くと
彼は少し安堵したように微笑んだ
「この顔、今は君にしか見せたくないから」
その言葉が
胸の奥をギュッと締め付ける
“今は” ーーその言い方がまた、どこか甘くて切ない
そして
また彼がそっと私の髪に指を滑らせた
「……ほんと、髪も柔らかいんだね」
ドキン、とまた心臓が跳ねる
「……い、意地悪…」
「ふふ…可愛い反応してくれるから、つい」
最近、葵くんは
前よりも積極的に触れてくるようになっていた
それがまた
嬉しくて、くすぐったくて、でもどこか焦らされている気がして
「……いつも思うけど」
彼が、低くゆっくりと囁くように言う
「君って、ほんとに俺に無防備だよね」
「え…?」
「警戒、しなくていいの?」
「だって……怖くないもん」
その答えに、葵くんはふっと目を細める
「……ほんと、可愛い子」
甘く低い声
耳元で囁かれると、また身体が熱くなる
ドキドキが止まらない
心臓の音がうるさい
そのままそっと
彼の指先が顎先に触れた
「……さわっても、いい?」
えっ…
そんなこと、聞くなんて
顔が真っ赤になりながら
小さく頷くしかできなかった
そっと、彼の指が頬をなぞる
優しく、でも確かに存在感のあるその指先に
身体がピクリと反応する
「ねえ…」
「…な、なに?」
「ほんとはさ…」
ぐっと顔が近づく
「俺、焦らしてるつもりなかったんだけどね」
「え…?」
「……君が勝手に、可愛い反応するから」
至近距離の視線
息がかかる距離
ーーもう、反則だ
「……意地悪…」
「ふふ、俺はただ…」
彼の指が
そっと私の唇に触れた
「君が、可愛くなるのを眺めてるだけ」
心臓が破裂しそうだった
けれどそのまま
葵くんはキスはせずに
また、ほんの少し距離を取って微笑んだ
「……今日は、ここまで」
また…焦らされた
でも、悔しいけど
嬉しくてたまらなかった
私は、その変化に
ますます惹かれていっていた
だんだんと自然に “ふたりの習慣” になっていった
授業が終わる頃には
お互いに言わなくても「またあの場所で」って分かるようになっていた
今日もまた
裏庭の隅のベンチにふたりで並んで座る
「…今日もお疲れさま」
「お疲れさま」
葵くんはいつものようにメガネをゆっくり外し
私の前で、素の顔を見せてくれる
何度見ても、やっぱりドキドキする
「……ほんとに、慣れないな」
「何が?」
「君の顔、見るたびドキドキするの」
私がそう言うと
彼は少しだけ目を細めた
「ふふ……そうやって素直に言うから、余計可愛い」
また…ずるいことを言う
でも、こうして素直に好きって思う気持ちは
止められなくなっていた
「でも、さ」
葵くんがふっと真剣な目を向けてくる
「……本当に、他の人には絶対言わないでね」
「もちろんだよ。誰にも言わない」
私が強く頷くと
彼は少し安堵したように微笑んだ
「この顔、今は君にしか見せたくないから」
その言葉が
胸の奥をギュッと締め付ける
“今は” ーーその言い方がまた、どこか甘くて切ない
そして
また彼がそっと私の髪に指を滑らせた
「……ほんと、髪も柔らかいんだね」
ドキン、とまた心臓が跳ねる
「……い、意地悪…」
「ふふ…可愛い反応してくれるから、つい」
最近、葵くんは
前よりも積極的に触れてくるようになっていた
それがまた
嬉しくて、くすぐったくて、でもどこか焦らされている気がして
「……いつも思うけど」
彼が、低くゆっくりと囁くように言う
「君って、ほんとに俺に無防備だよね」
「え…?」
「警戒、しなくていいの?」
「だって……怖くないもん」
その答えに、葵くんはふっと目を細める
「……ほんと、可愛い子」
甘く低い声
耳元で囁かれると、また身体が熱くなる
ドキドキが止まらない
心臓の音がうるさい
そのままそっと
彼の指先が顎先に触れた
「……さわっても、いい?」
えっ…
そんなこと、聞くなんて
顔が真っ赤になりながら
小さく頷くしかできなかった
そっと、彼の指が頬をなぞる
優しく、でも確かに存在感のあるその指先に
身体がピクリと反応する
「ねえ…」
「…な、なに?」
「ほんとはさ…」
ぐっと顔が近づく
「俺、焦らしてるつもりなかったんだけどね」
「え…?」
「……君が勝手に、可愛い反応するから」
至近距離の視線
息がかかる距離
ーーもう、反則だ
「……意地悪…」
「ふふ、俺はただ…」
彼の指が
そっと私の唇に触れた
「君が、可愛くなるのを眺めてるだけ」
心臓が破裂しそうだった
けれどそのまま
葵くんはキスはせずに
また、ほんの少し距離を取って微笑んだ
「……今日は、ここまで」
また…焦らされた
でも、悔しいけど
嬉しくてたまらなかった
私は、その変化に
ますます惹かれていっていた