クズ彼氏の甘く危険な呪縛

「ねえ、聞いてんの?」


女の人の声に現実へ引き戻された。


「あの……」


言葉を選ぼうとして、つまづく。

たしかに、レオは変わった。……優しくなった。
でも、それが私のせいかなんて、わからない。


「私……」


わかりません、そう言おうとした瞬間だった。


――パシンッ


乾いた音が響き、間を置いて頬にじわじわとした痛みが走った。


「……え……?」

「なんで……なんで!あんたみたいな!地味な女に!私が負けなきゃならないのよ!」


爪を立てられた頬が熱を持つ。
混乱して、声が出ない。


「いた、……や、やめてください……っ」


何度も殴られて、痛みよりも恐怖が勝っていく。
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