クズ彼氏の甘く危険な呪縛

体調不良1

――日付が変わる、ほんの少し前。
ベッドに伏せていた私は、微かなバイブ音で目を覚ました。


≪3件のメッセージ≫ ≪着信 5回≫


すべてレオくんからだった。


「……ぁ、っ」


慌ててスマホを手に取り、返信を打つ。
遅れた理由を頭の中で必死に探しながら、震える指で『ごめんなさい。眠ってました』と送信する。

返事はなかった。
既読だけが、静かに付いた。
きっと、怒ってない。そう思い込もうとした。

メッセージはすぐに返事。着信は3コール以内。

付き合ってすぐに決められたルールだった。

少しでも、遅れるとレオくんの機嫌は悪くなった。
時間など関係なしに呼びつけて、怒鳴って、乱暴に抱かれる。
それが一度だけ。一度きりだった。けれど、腕を押さえつけられた痛みも、喉の奥で詰まった息も、レオくんの荒い吐息も──ぜんぶ、まだ私の中に残ってる。

それ以来、スマホは常に私の手元にあった。

最近、よく眠れない日が続いている。
夢を見ても、ずっと息が詰まるような夢ばかりで。
学校でもぼんやりしてしまうし、ごはんも喉を通らない。
胃の奥がずっと重くて、立ちくらみも増えた。

――でも、それでも。
レオくんにはなぜか、言えなかった。
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