クズ彼氏の甘く危険な呪縛
「なあ、ヨリ。俺のこと愛してるよな?」


酔っているはずなのに、妙に滑らかな声だった。
レオの指先が、私の髪を片側に寄せて、耳たぶを軽くつまむ。


「……うん」

「だったらさ……ここ。なんか、証とか、欲しくね?」


指が執拗に耳たぶを撫でる。
柔らかくて、熱くて、でもゾッとした。


「なに、するの」

「んー……?」


甘やかすように、軽く頬に口づけられる。
逃げる間もなく、私の体を押さえ込むようにして、レオは馬乗りになった。
そして、自分の耳からピアスを外した。


「すぐ終わるから、動くなよ~。……痛いほうが好きなら、暴れていいけど」

「レオ、待って。やめ……っ」


動こうとしても、身体が動かない。目を閉じることすらも、許されない。
迫ってくる鋭い先端に、これから何されるのか想像がついて、涙が浮かぶ。


「ヨリは、俺の”モノ”だもんな」


いつもなら安心する、その言葉でさえ今は怖かった。

冷たい金属が、当たって――


ぶちっ


「……っ、ぁ……、あ……う、っ……」


歯を食いしばって痛みに耐える私を、レオは見下ろして笑う。
苦痛で唇が震える、熱いものが頬を伝う。それが血なのか、涙なのかわからない。
肩が震えるのを止められず、ただ呼吸が荒くなる。


「っあー……ヨリってほんっと、いい顔すんなァ」


レオの声が、遠くで響いているみたいだった。


「俺のせいで泣いてんの?……かわいー」


顔を背けようとしても、レオの手が頭を押さえる。
息をするたびに、喉の奥がヒュッとつまってうまく吐き出せない。

そして――また、冷たい金属が、今度は反対の耳に触れた。

はっ、はっ、と自分の呼吸だけが耳に残る。

……ぶちっ。
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