クズ彼氏の甘く危険な呪縛
夜。
レオはソファで浅く眠っていた。
眉間に皺を寄せ、夢の中でも苦しそうにしている。

あれから、結局なに一つ受け入れられないまま、時間だけが過ぎた。
レオの熱は上がるばかり。なのに、私はそれを見ていることしかできなかった。

今も起こさないように緩やかに背中をさすることしかできない。


「私って……本当に、なにもできない」


そんな無力感に苛まれていたとき。

かすかに、名前を呼ばれた気がした。


「……よ、り……」


痛々しい声に、胸の奥がきゅってなる。

そっと手を額に伸ばす。
さっきは拒まれたけど、今なら大丈夫な気がした。
優しく撫でると、彼の眉間の皺が少しだけほどけた気がした。

自分の着ていたカーディガンを脱ぎ、レオに掛ける。
その瞬間、それまで縮こまっていた背中がふっと緩む。
息がひとつ抜けて、レオは寝返りを打つように身体を私のほうに向けた。
その指先が、無意識にカーディガンの裾をぎゅっと掴んでいるのが見えた。


「そばに、いるよ」


レオから離れないよ――。

いつの間にか、うとうとしていた。
疲れていたのかもしれない。
レオの寝息を聞きながら、ソファの端でうたた寝してしまった。

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