クズ彼氏の甘く危険な呪縛
――――翌朝

ガチャンとドアが閉まる音で目を覚ます。
座って寝たせいか体中が痛い。
目をこすると、誰もいない静かなリビングが目に入った。


「……レオ?……いない……?」


体を起こすと、ずるりと何かが落ちた。
……黒いパーカー。

レオがいつも着ている物だとすぐにわかった。

そっとそれを抱き寄せると、ふわりと香りが立ち上る。

煙草の匂い。甘くてクセのある香水の残り香。
それから……僅かなレオの匂い。

……これ、レオが……?

彼が起きたあと、どんな心境だったのかはわからない。でもきっと起こさないように、してくれたのかな。

言葉も、スマホにメッセージもなかった。
でも、伝わってきた。
不器用で、素直じゃなくて、でもちゃんと”レオらしい”やり方で。

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