クズ彼氏の甘く危険な呪縛

破滅的な愛の告白

――ピピッ

スマホの目覚ましを止めるために手を伸ばす。

体を起こすと、頭がぐらついて、倦怠感が体にまとわりついてくる。
レオがいなくなってから、ただでさえ酷かった睡眠不足はさらに悪化した。

頭はぼんやりして働かない。

シーツにうっすら残るレオの残り香に気づくたび、もう隣にはいないという現実がじわりと胸に広がって、余計に眠れない。
香りに頼りに横になっても、深い眠りは訪れなかった。

食べても飲んでも、口の中は砂を噛んでいるようで、何も味がしない。
甘いも辛いも感じられず、咀嚼音だけがやけに響いて、飲み込むたびに苦しくなる。
そのうち、食べる意味さえわからなくなって、必要最低限しか食べなくなった。

静寂が、耳に痛い。
舌打ちでも、怒鳴り声でも、なんでもいい。レオの声が聞きたい。

レオのいない世界はまるで色を失ったみたいに、すべてが灰色に見える。
テレビも、景色も、なにもかもがモノクロだった。

胸に抱いたレオのパーカーから、香水と煙草の香りが日を追うごとに薄れていく。

……私は、本当に“生きている”のかな?

バイト先でも顔色を心配され、早く帰される日が増えた
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