月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「なんか。切ないな。」

光清がため息をついた。

「切ない?」

私とときわが、顔を合わせる。

「小さい時から、そう教えられてるんだろ?洗脳に近いよ。他に道がないんだろうな。」

ゾクッとした。

ラナーが、毅然とした態度で自分の罪を認めたのは、幼い頃からの洗脳?

自分を犠牲にするようにって?


「でも!ラナーは言ってた。犯人の言う事を聞けば、両親は助けてくれるって。」

涙がボロボロ出てくる。

「それでも……ラナーの両親は、犯人に殺されかけたけど……」

二人は黙って、俯いていた。

辺りには、私の泣く声だけが響く。

「ごめん、紅葉。私たち、それこそ憶測で話してるからさ。」

ときわが、私の背中をさすってくれた。

「ラナーちゃんは、偉いよ。ご両親を助ける為に、自分を犠牲にしようとしたんでしょ?すごいよ。」

「うん……」

私は、涙を拭いた。

「それにしても、その犯人。許せないな。誰だったんだよ。犯人。」

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