月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「はい、畏まりました。」

タンナーズさんはヘサーム王子に一礼をすると、大きな湯気が立っているいる場所へ、他の兵士と一緒に近づいていった。

「あの……ジャラールさん達は……」

「会議の場所で、食事を摂るって言っていた。我々の軍勢だとは言え、助ける場所は己の育った宮殿だからな。我々に知られたくない部分も、あるのだろう。」

なんだか少し、寂しくなった。

途中からナディアさんが加わったとしても、ここまでは私も皆と一緒だったのに。

一人だけ、取り残されるなんて。


「ところで、クレハはいつ、碧のオアシスへ旅立つのだ?」

私は思わず目が点になる。

「とは言っても、砂漠で動ける時間は、限られている。着いた早々で疲れるだろうが、明日の明朝早くに、出掛けて行くのか?」

「そ、そうですね。ジャラールさんに一言相談はしますが……」

「そうか。ジャラール王子にか。」

力強い目。

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