月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
それなのに私の気持ちは、ジャラールさんから動く事はない。

あの光清でさえ、ジャラールさんを越える事ができないかった。

「……タイプだったのかな。美少年で、吸い込まれそうな瞳を持ったジャラールさんが。」

「そっか。それもありだね。自分のタイプと一緒にいるのはいい事だよ。他に目移りしても、帰って来れるからね。」

私はタンナーズさんの言葉に、心底納得した。

「うん!そうそう!」

「やっぱり!そうだろう?」

二人で恋愛話に、盛り上がっていた時だ。


私の後ろから、人の影が見えた。

「ヘサーム様……」

タンナーズさんが立ち上がると、ヘサーム王子は、私の隣に座った。

「いいか?隣にいても。」

「えっ?」

いや、聞く前にあなた、もう座ってるんですけど。

「はあ……どうぞ。」

もしかしてヘサーム王子って、俺様!?

「タンナーズ。会議の途中だが、休憩がてら飯を食べようと言う話になった。そなた、我々の分の食事を持って来てくれぬか?」

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