月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「育った環境?」

「はい。私の育った日本は、男女平等の国です。あっ、そうなったのは、ほんとつい最近だし。女性の社長や大臣とかはまだ少ないですけど、教育も就職も、給料も結婚も、男だから女だからって事は少ないですし、結婚した後の仕事だって育児だって、男女が助け合って生きていく国なんです。」

「はあ……ニッポン?」

「だから、あなたが仰る事は、文化の違いです。私の魅力ではありません。」

ジャラールさん、ヘサーム王子。

どっちのお妃様になったって一緒。

私は文化の違いに悩むだけ。

遠い異国で、一人苦しむだけなのよ。


「クレハ!もっと自信を持て!」

ヘサーム王子は今度は、私の両肩を掴んだ。

「君は明るいし、タフだし、今のように客観的な意見も述べられる。それは日本人だからという訳ではなく、君自身の魅力だ。」

不謹慎な程に、ドキンとした。

ここまで言ってくれる人なんて、今までいなかったかも。

< 203 / 354 >

この作品をシェア

pagetop