月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「クレハ……」

ヘサーム王子が、私の瞳をじーっと見つめた時だ。

「ヘサーム王子。そこまでにして頂こうか。」

鞘に収まった刀が、ヘサーム王子の肩に乗っている。

そのヘサーム王子の後ろにいたのは……

「ジャラールさん!!」

ヘサーム王子は私から手を離し、後ろを向いた。

「クレハは、私の者だと申したはずです。からかうのは止して下さい。」

「はて。からかってはいないのだが。」

肩と肩を合わせて、お互い睨みあっている。

「だとしたら、余計クレハに近づかないで頂きたい。」

「それもどうかな。」

するとジャラールさんは、刀に手を掛けた。

「ジャラールさん!」

私は立ち上がって、ジャラールさんとヘサーム王子の間に入る。


するとそこへ、タンナーズさんが戻ってきた。

「えっ?どうしたのです?」

両手にお盆を持ちながら、私達3人の食事を持って来てくれた。

私が黙っていると、ヘサーム王子はどこかへ行ってしまった。

< 204 / 354 >

この作品をシェア

pagetop