月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
こういう時に、女の勘を働かせるのは、どうかと思うんだけど。

ナディアさんは。

ジャラールさんの事が好きらしい。

って言うか、ライバルじゃん。

それ。

「うん。私も、ハーキムさんがいい。」

こう言う時に、ライバルに道を譲るって、私はいい人過ぎやしないか?

「仕方ないな。じゃあ、ハーキム。頼んだぞ。」

「ああ。」

そしてナディアさんは、チラチラこっちを見ながら、ジャラールさんの元へ行ってしまった。

そう言えば、ナディアさん。

ハーキムさんが私を気に入ってるとか、なんとかって言ってたっけ。

まさか。

ハーキムさんに限って。


「それで?いつもならジャラール様の側に行きたがるのに、なぜ今回は行かぬ?」

早速その質問ですか。

「……戦いの前の夜は、女に会っちゃいけないって、言ってたじゃないですか。」

「いや、その前に戦いに参加しているだろう。今更何を言っているんだ。」


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