月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
う~。

そこで受け流してほしかった。

「ジャラール様との間で、何かあったのか?」

何か、か……

「言ってみろ。」

私はチラッと、ハーキムさんを見た。


何かも受け入れてくれそうな、包容力のある姿。

ハーキムさんだったら……

いかんいかん。

ハーキムさんに、ジャラールさんとの揉め事なんて、言っちゃいけないでしょ。


「どうした?何でも聞くぞ?」

だからその、お兄ちゃんみたいな態度、止めてほしい!

「ジャラール様と……ケンカしたのか?」

私は、勢いよく振り返った。

「なんだ、図星か。」

「なんで……分かったんですか?」

「ジャラール様との事で、俺に言いづらい事なら、それしかないだろ。」

ったく。

もっと鈍感でいてほしいよ。

「どうして、ケンカした?」

「いや、別にケンカなんか……」

「ヘサーム王子と、何か関係があるのか?」

私は続いて、口をあんぐりと開けた。

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