月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
意を決して、また一歩ずつ進んでいく。

空にはもう、太陽が昇ってきている。

今ごろ宮殿の跡地では、私がいなくなって、大騒ぎになっているだろうなぁ。


もしかして、ジャラールさん。

私を迎えに来てくれるんじゃ!

いや、ジャラールさんは助けに行かなきゃいけないから、周りに止められるはず。

じゃあ、ハーキムさん?

ううん。

ハーキムさんさんは、そこまでするような人じゃない。

とすると、ナディアさん?

そしてタンナーズさん!?

意表をついて、ヘサーム王子!!


「そんなわけないか。みんな王様達の事で、頭いっぱいだよ。」

無駄な想像をしたと思ったけれど、砂漠の中でたった一人。

何か考え事してないと、寂しさで押し潰されそう。

そして、この暑さにやられてしまいそう。


私は水筒を取りだし、一口飲んだ。

宮殿の跡地を出る時に、満杯にしてきたから、結構残っている。

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