月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「は~。あと、どのくらいなんだろう。」

私は荷物の中から、緑のペンダントを取り出した。

なんだか、色が鈍くなってきているような気がする。

「今、行きます。待っていてくださいね。」

一度だけ、私の前に姿を現してくれた、オアシスの精霊。

私はあの人を思い出すと、ぎゅうっとペンダントを握った。


「そうだ、駱駝さん。これ見て、碧のオアシスの場所、分かったりする?」

試しに駱駝の前に、緑のペンダントを持ってきた。

じーっと見ているのか、臭いを嗅いでいるのか、とにかく駱駝は、ペンダントに興味深々。

「分かるわけないか。」

そう言ってペンダントを荷物の中に入れると、駱駝が足を畳んで座った。

「なに?」

駱駝の頭が、後ろを指す。

「乗れって言うの?」

すると駱駝は、少しだけ頭を動かした。


えっ。

これ、乗った瞬間に、振り落とされたりしないよね。

いや、乗れって言ってるんだったら、それはないか。


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