月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私はパンっと、頬を右手で叩くと、駱駝に乗ってみた。

すると駱駝は、スーっと立ち上がって、歩き始める。

「おっ、おおっ!」

そして私が手綱を握ると、駱駝は少し小走りになった。

「ひゃあ~。モノはなんでも試してみるものだね。」

駱駝はそのまま、一直線に砂漠の砂の中を走る。

「お願いよ、駱駝さん。なるべく早く、碧のオアシスへ私を連れて行って。」

私の言葉が分かったのか、小走りだったスピードが、もっと早くなる。

「もうそろそろ、見えてきてもいいんだけど。」

なのに、走っている場所は、相変わらず360度、砂の世界。

だけど、見た事がある砂の稜線が、見えてきた。

「もしかして……あれを越えたら……」

碧のオアシス!

半日振りに、笑顔を取り戻した時だ。


右の方から、砂の塊が見えてきた。

このままだと、私達とぶつかってしまう。

「ちょっとストップ!駱駝さん!」

私は駱駝を止めようと、手綱を引いた。

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