月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「止まるな!荷物を抱えて、体を伏せろ!」

後ろから聞こえてきた、男の人の声。

「えっ?」

振り返ろうとしたら、その人が荷物ごと、私の駱駝に飛び乗ってきた。

「きゃあっ!」

駱駝の上で伏せると、と言うよりも、後ろに飛び乗ってきた男の人のせいで、半ば強制的に、体を前に倒された。

「じっとしてろ!」

聞き覚えのある声に、胸がドキっとした瞬間だ。

私達は駱駝ごと、砂の塊の中に、吸い込まれた。

砂嵐だ。

駱駝は走りながら、左方向へと、ずれて行く。

このまま走って、オアシスへの道を見失ったりしない?

私はそれが、心配だった。


だけど、事態は悪化。

大きくて激しい砂嵐に、駱駝が耐えられなくなったのだ。

急に、駱駝が失速して、私と男の人は、駱駝の上から飛ばされてしまった。

「きゃあああああ!」

荷物と一緒に、体が中を舞う。

「手綱を離せ!クレハ!」

私を名前を呼んだ、その人は……

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