月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「選びたい放題か……」

真っ直ぐ、ハーキムさんが前を見る。

「……本当に側にいてほしい女は、他の男の腕の中。」

「えっ?」


まさかそれって奥さん、浮気しているって事?

まずいじゃん、それ。

勝手にハーキムさんの奥さん達を想像していると、ハーキムさんは、そっと私を見つめている。

ドキッとした。

本当に側にいてほしい女って、私の事?

他の男って、ジャラールさんの事?

呼吸が徐々に、荒くなった。


「シッ!」

ハーキムさんの口に、指が重なる。

ジャラールさんが寝たまま、手に刀を持つ。

「……敵か?」

「そのようです。恐らくザーヒルの兵士でしょう。」


あんの悪人!

人が寝静まった時に~!

私の中に、怒りが沸々と沸いてくる。


「……どのくらいだ?」

「2~3人程。」

「来るか?」

「好機を、うかがっている様子です。」

来るの?来ないの?どっちなの~

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