月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
それとも私の視力では見えない場所に、そういう集落的な物があるの?

「で?君はどこから来たのだ?」

ドキッとした。

「そのベージュっぽい肌。少なくても砂漠の者ではないな。」

「……よく、知ってますね。」

「ああ。一緒に暮らしていた者達が、世界中を回っている劇団だった。確かその肌は、東欧か?」

「……そうです。日本という国です。」

「日本か……一度行ってみたいものだな。」


ジャラールさんやハーキムさんも、初めて会った時は、日本の話を楽しそうに聞いていたけれど、この国の人達は。飛行機とかで日本に来れないのかな。

それとも、やっぱり物語の中の人達だから、そういう事は無しって事?

いろんな事を考えていたら、辺りは暗くなってきた。

「腹は減っているか?」

「それほどでも……」

「そうか。何か食べたかったら、遠慮せずに申せ。」

「はあ。」

すごいな、この人。

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