月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
突拍子過ぎたのか、この人は眉一つも動かさない。

「……そうですよね。そんな話、ないですよね。」

私が少し離れた時だ。

「ザーヒルを知っているのか。」

ふいに返ってきた質問。

「えっ?」

「知っているのかと、聞いておるのだ。」

また上から目線。

こういう時ぐらい、下手に出ればいいのに。

「知ってるわよ。会った事もあるし。」


ラナーを陥れようとして、ラナーのご両親を監禁したり、平気で自分の部下を殺す人。

ああ、思い出しても腹が立つ。


「そうか。そうであったか。はははっ!」

頷いたと思ったら、今度は高笑いして。

何なの?この人。

「ザーヒルが反乱を起こしたと言ったな。」

「はい。」

「そう仕立てたのは、我だ。」

「はあ?」

「あなたは、王家の人間だ。あなたがこの国を継ぐべきだとな。私も同じ王家の人間。成功に終わったのなら、この国は我々、二人のモノだとな。」

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