月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「……一体、何を言ってるの?」

「そのままだ。そのままこの国は、内部の反乱で滅びる。我の願いはそれだけだ。」

私は立ち上がった。

「あなたねえ!自分が何をしたか、分かってるの!?」

ザーヒルといい、こいつといい、自分の事ばっかり!

その他大勢の人事なんか、全く考えていない!


「この国が滅びれば、この国で暮らしている人の事はどうなるの!?王様の隠し子か分からないけれど、そんな勝手な人間、王子様でも何でもないわ!」

私に怒鳴られて、目をパチクリさせる王子様。

「……初めてだ。」

「何が!」

「女性に、怒鳴られるのは。」

「はあ?」

すると王子様も、立ち上がる。

「君は、名はなんと申す?」

「ク、クレハです。」

「クレハか。良い名前だ。」

どうしよう。

悪人だと知ってるから、ちっとも嬉しくない。

「我の名前は、ナーデルだ。ナーデル様とでも、呼んでくれ。」

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