月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「な、何?もしかして、ナーデルさんの一族って、名前を教えたら、結婚しなきゃいけない掟とかあるの?」

この林の中に住んでるんでしょう?

怪しい掟なんて、十分あり得る。

「いや。そんな掟はないが。」

ほっとする私。

どうやら現代の文明には、付いていっているようだ。

「だが、年頃の男女が出会い、名前を呼び合うとは、互いに惹かれ合う気持ちが、あるからではないか?」

開いた口が塞がらない。

どういう思考回路?

「えええ……確かに、うん。好きな人とは、名前で呼び合うよ。例えば、ナーデル王子とか、ナーデル様とか言わず、ナーデルって呼び捨てにするとか。」

「ほら、我の申す通りではないか!」

やばい。

最初から否定しておけばよかった。

「いや、だって名前を知るだけだったら、男子の名前はみんな、幼稚園から知ってるよ?」

「幼稚園?」

「えっと~。小さい頃からって言う、意味?」

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