月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
なんか、怒らせちゃったかな。

怖くてしばらくの間、立ち尽くした。

「そうだ。今度、遊園地行かない?」

突然光清が、振り向いた。

「うん。いいね。」

「今週の日曜日。どう?」

「うん、行こう行こう。」

機嫌が直ったって言うのと、遊園地に行くって事と、初めてのデートって言うのと、いろいろ重なって、一気にテンションは高くなった。

「ねえ、絶叫は好き?」

「俺、大好き。紅葉は?」

「私、ちょっと苦手。」

「なんだよ。聞いてきたから、てっきり得意なんだと思った。」

「はははっ!」


うん。

こうやって、光清が側にいてくれれば、やがてジャラールさんの事も、忘れていくと思う。

「じゃあ、日曜日。朝9時に迎えに行くから。」

「うん。分かった。」

「約束、忘れないでね、紅葉。」

「光清こそ。」

どこにでもいるカップル。







夢の中じゃない、本当の彼氏。

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