月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
叫んでいるナーデルさんを放っておいて、私はジャラールさんの方を見た。

「よかったですね。ナーデルさんが、本当の敵にならなくて。」

「ああ。」

ジャラールさんに、まさか子供がいたなんて、本当にびっくりだけど、ナーデルさんも本当のお父さんに会えた事だし。

これで一見落着だよね。


と、思っていたら、肝心な人を忘れていた。


「ナーデル。貴様、私を騙しおったな。」

大広間の階段の上から、逃げたはずのザーヒルが、顔を出した。

「ザーヒル!」

「何が王の御落胤だ!違うではないか!」

そう言うとザーヒルは、そのまま手すりを越えて、大広間に飛び降りた。

「待て!我とてそう教えられていたのだ!」

ナーデルさんが言い訳をしても、ザーヒルは刀を抜いた。

「ザーヒル、そこまでだ!これ以上、罪を重ねるな!」

「うるさい!ここまで来たのだ!王家諸とも、滅ぼしてくれるわ!」

そう叫んで、ザーヒルは王様やジャラールさんに、刀を向けた。

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