月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
それをジャラールさんが、持っていた刀で受け止める。

「ザーヒル。我が王の情けを無駄にするんじゃない!」

「はっ!何が情けだ!所詮自分で手を下せないだけではないか!」

そう言ってザーヒルは、激しくジャラールさんと刀を交える。

「父さん!」

ナーデルさんも、刀を持って近づこうとする。

「ナーデル!お前は下がっていろ!」

ジャラールさんに止められ、ナーデルさんはその場に、立ち尽くした。


「ジャラール。もういい。」

王様が、ジャラールさんとザーヒルの戦いを止めた。

「父上?」

「ザーヒルの言う通り、私は逃げていたのかもしれない。」

そして王様は、家臣から刀を貰うと、鞘から抜いた。

「その逃げる気持ちが、ナーデルをこのような戦いに、巻き込ませてしまったのかもしれない。」

そして、ジャラールさんを振り払うと、王様は自分がザーヒルと向き合った。

「来い、ザーヒル。」

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