月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
王様の掛け声で始まった戦いは、凄まじかった。

刀から火花が出る程の打ち合いに、お互い一歩も引かない競り合い。

見ている方が、ハラハラした。


「ヘイダル王!私は今までの私ではない!」

「なに?」

「もうあなたの家臣でもない!私があなたの代わりに、この国を治める!」

そう言い切ったザーヒルは、王様を壁際まで追い込んだ。

「父上!」

ジャラールさんが一歩前に出ても、王様はザーヒルから目を離さない。

「ザーヒル。お前は確かに強い。だが、この国を治めるには、ただ一つ足りないものがある。」

「なんだと!」

「それは、自分を盾にしてでも、守りたいモノだ!」

壁際で刀を振りきった王様は、ザーヒルが持っている刀を、天井めがけて飛ばした。

「うわっ!」

ザーヒルの、遥か後ろに刀が立つように刺さる。


「ザーヒル!もう容赦はせん!」

王様は、刀をザーヒルに向けた。

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