月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「私が自分を盾にしてでも守りたいモノ。それはこの国の未来だ!それを2度も壊そうとしたお前を、このまま許すわけにはいかぬ!護衛!ザーヒルとその兵士を犯罪人として、捕まろ!」

「はっ!」

ザーヒルと彼に付き添った兵士達は、護衛の人達に一人残らず捕まり、地下牢に連れて行かれた。

「父上!」

「我が王!」

ジャラールさんや、ハーキムさん、ネシャートさんやラナーが王様を囲む。

みんなの笑顔を見て、王様はようやく、微笑んだ。


「よかった。」

私の目からは、熱いモノが溢れだした。

「よかった。この国が守られて……」


ただの本の世界なのかもしれない。

でも、私は実際この世界の中にいて。

ジャラールさんやネシャートさん。

他のみんなも、この世界で生きている。


この世界に来れたのも、偶然が重なっただけ。

私は何もできなかったけれど、この世界が“ある”事が、こんなにも、嬉しくてたまらない。

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