月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
私はゴクンと、息を飲んだ。

「その時は、私と結婚しよう。クレハがこの世界へ来てよかったと、いつも思わせるから。」

私はもう一つの手を、ジャラールさんの手の上に乗せた。

「クレハ……」

「ジャラールさん。ジャラールさんの気持ち、とても嬉しい。でも……」

私の気持ちが叶うと言う事は、ジャラールさんの気持ちを受けとる事。

ジャラールさんの気持ちを受けとるという事は、ネシャートさんの気持ちを、傷つける事。


私は泣きながら、ジャラールさんの側にいる、ネシャートさんを見つめた。

「ごめんなさい、ネシャートさん。私、ジャラールさんの事が好きなの。例え違う世界の人だとしても、できるだけ一緒にいたい。」

ネシャートさんは、悲しそうに私の手の上に、自分の手を置いた。

「いいのです。私もクレハが側にいてくれたら、こんなに心強い事はありません。」

「ネシャートさん……」

「一緒に、ジャラールを支えていきましょう。」


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