月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「ひっ……ひっ……うわああああ!」

「よしよし。」

テラーテさんに宥められているナーデルさんを見ると、まだあの子も、子供だな。


そんなナーデルさんを見ながら、ジャラールさんは立ち上がると、衝撃の言葉を言った。

「ところでクレハ。この結末は、君が言っていた本の通りだったかな。」

私の息が止まる。

「えっ?」

「前の時は、私とネシャートの思いが通じて、そこで終わっていたのだろう?今回の話の最後は、クレハと思いが通じて、終わっていたのか?」

それを聞いた私の顔は、さながら“ムンクの叫び”の様。

「そ、そ、そんな事書いてなかった!」

「そうなのか。では今回は、我々が新しい未来を……」

「そんな訳がない!!」

有ろう事か、私は一国の王子様に対して、大声で怒鳴ってしまった。

「ク、クレハ?」

絶対にあり得ない。

どうしよう。

このまま現実の世界に戻って、この話が書かれていなくて、ジャラールさんからのプロポーズも、無かった事になっていたら!!


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