月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
『ですがクレハが、自分の危険を省みず、この宮殿に駆け付けようした時に、物語は変わったのです。』

「あっ……あの時……」


この宮殿が危ないと、ナーデルさんが必死に教えてくれた時。

私はここに来る事を迷った。

あの時?


『もしクレハが、あのまま木の影に、身を潜めていたのであれば、ジャラール王子もナディアという者も、この宮殿には戻っておらず、王女も助けられず、この宮殿諸とも、崩れさっていました。』

ひぃぃぃ!

そんな恐ろしい事が!


『この宮殿に駆けつけ、危険を知らせようとしたクレハの勇気が、この国を救い、己の未来を変えたのです。』

「私が、この国を変えた?」


ジャラールさんとネシャートさん。

ハーキムさんに、ラナー。

王様にナディアさん。

ナーデルさんに、テラーテさん。

ヘサーム王子に、タンナーズさん。

一人一人、顔を見回していくと、みんな笑顔で、頷いてくれている。

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