月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「自慢じゃないが、本気で口説いた女に振られるのは、初めてなんだ。」

「ぶっ!」

ちょっと、オレンジジュースを吐き出しそうになっちゃったじゃないか!

「加えて、子供を口説いたのも、初めてだ。」

「あっ、そりゃどうも。」

子供子供って、じゃあ最初に歳を聞いてから、口説け!


「ヘサーム様!」

「ああ。」

タンナーズさんが、遠くから呼んでいる。

「ではな。クレハ。」

「はい。ヘサーム王子もお元気で。」

「有り難う。」

ヘサーム王子はキザっぽく、前を向きながら、手を挙げている。

「タンナーズさんを、大切にしてあげてください!」

「……はいはい。」

若干、手が下がったのが気にかかるけれど、ヘサーム王子、悪い人ではないんだよね。


おっと。

オレンジジュースが、無くなりつつある。

「おつぎしますよ。」

「ありが……」

振り返った先には、ハーキムさんがいた。

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