月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
そう言われてみれば、ハーキムさんって。

肝心な事は、こっちが言わなくても、分かってくれてたっけ。


「う~~ん。」

ジュースのコップを持ちながら、思いっきり背伸びをする。

はああ。

これで一段落ってところですかね。

なんだか安心したら、急に眠くなっちゃった。

「ふああああっ……」

片方の手で、欠伸を抑える。

そんな時、ジャラールさんとバッチリ目が合う。

やばっ!

「クレハ。」

ほら、心配して来ちゃったよ。

「疲れたのではないか?」

「はははっ。少しだけ。」

焦る。

やっとジャラールさんと、二人きりになれた。

「そろそろ宴も終わりだ。今日は近くの部屋で休もう。」

「えっ?」

心臓がドクンドクンと、波打つ。

ジャラールさんが、私の手を繋ぐ。

「行こう。」

「は、はい。」

みんながまだ勝利に沸いていると言うのに、私はジャラールさんに手を引かれ、大広間を出た。

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