月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
遊園地に行ってから、光清は私が元気を無くすと、決まって王子様みたいに、命令口調になった。

周りからは、『源君って、付き合うと上から目線になるの?』と言われ、それが女子達を二分した。

“付き合ったら俺様になるなんて、そんなの嫌!”組と、“その方がもっとカッコいい!彼女になって、命令されたい!”組だ。

隣の組の光清を本気で好きという子は、果たしてどっちなんだろうと、ふと思ったけれど、当の本人はそんな噂、全く気にしなかった。

それが光清っぽいって言えば、光清っぽいんだけど。


ある日、トイレから帰ってきた後だ。

放課後の教室に、ときわと光清が、二人でいた。

美少年と美少女。

更に光清は、雑誌で王子様特集を勉強しているらしく、芸能人並みの王子様に、なりつつあった。

端から見ると、絵本の中の世界。

こうなると、二人には話しかけづらい。


「どう?紅葉とうまくいってる?」

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