月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ときわが椅子の背にもたれ掛かりながら、後ろの席に座る光清に聞いた。

「うん。順調だと思う。」

その答えに、私は頭の後ろがむず痒くなる。

「ところで光清の、王子様変化は何の心境の変化?」

「うん……」

光清は、机の上に前屈みになった。

「紅葉。まだ、あの王子様の事、忘れてないんだ。」

「でしょうなぁ。」

何でもときわには、お分かりのようだ。

「紅葉。結構王子様の事、本気で好きだったみたいだし。」

「何なんだよ、王子様って。」

拗ねる光清が、可愛く見える。

「なまじ片想いで終わっているから、諦められないんでしょう?消化不良って言うんですかね。ああいうのは、一旦付き合って、悪いところをお腹いっぱい見れば、諦めがつくのよ。」

さすがは恋愛マスター、ときわ!

尊敬するのと同時に、修学旅行中になんでときわに相談しなかったんだろうって、我ながら悔やまれる。

「俺達みたいに?」

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