月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「王子様の事、忘れなくてもいいから付き合ってくれって言ったのは、光清の方だよ。」

「そうだけどさ!そうだけど……」

光清の顔が、苦しそうに見える。

「なんで……なんでもう会ってないのに、好きでいられるんだよ。もう会えもしない奴の事なんか、普通忘れてしまうだろう!」

会えもしない。

そんなの分かってる。

分かってるけれど、ジャラールさんの事が、忘れられない。

なぜ忘れられないのかなんて、そんなの知らない。


「逆に教えて。どうすれば忘れられるか。」

「紅葉?」

「光清は、忘れられたんでしょ?ときわの事。」

光清の目が、大きく見開かれた。

「ごめん。さっきときわと話てるとこ、聞いちゃった。」

最悪。

だけど、嘘もつけない。

「紅葉を好きになったから。」

優しい声に、そっと光清の目をみる。

「正直、ときわと別れた時は辛かった。同じ高校に入ったのも、友達続けたらまた戻れるんじゃなかいって、思って。」

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