月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
ときわの話に、涙がまた出てくる。

だったら先に、そう言ってよ。

心の中で叫ぶ。

「もし相手が現実の世界にいるんだったら、納得するまでアタックしなよって言う。でも、相手は現実の世界の人じゃないでしょう?そこはやっぱ、現実の恋で忘れるべきなんじゃ、ないのかなぁって。」

ときわの助言は、いつも正しく聞こえる。

そうだよ。

私だってそうだって。

二度と会えないんだったら、目の前の恋に集中するべきだって、私も思うよ。

「二次元の人の恋をしてるんだったら、そう言ってたけどね~」

ときわから、また呑気な発言。

「でも紅葉は、夢の世界。二次元でもないし、夢の中とは言え、ちゃんと経験してきてるんだもんねぁ。」

だから?

何を言いたいの?

と思わず詰めよりたい発言。

「だったら、自然に忘れるまで、好きでいるしかないんじゃないですか?」

ときわはそう言うと、微笑みながら私の顔を見た。

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