月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
翌日私は、光清に別れを告げた。

「分かった。」

あっさり引き下がった光清に、違和感を覚えつつ、有り難うと頭を下げる。

「その代わり、紅葉の事、好きでいてもいい?」

意識が遠退く。

えっ?

なんでそんなに、私に執着するの?


「紅葉が俺と付き合えない理由って、その王子様な訳だろ?」

「うん、まあ……」

「忘れるまで、俺、待ってるから。」

少女漫画だったら、キュンキュンする場面なんだろうけど、不思議に私はキュンキュンしない。

もしかしたら、乙女じゃないんだろうか。

「それでもし、奇跡的にその王子様に再開したら、」

「再開したら?」

「紅葉が納得するまで、トコトンその王子様に、付き合ってこい!」

私は、その台詞に目が点になった。


あまりにも、真逆過ぎる発言。

私は一つの仮説を立てた。

「光清。ときわに、入れ知恵されたでしょう?」

「えっ?」

バレた?という光清の表情。

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