月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】

物語のその後

光清と別れて、3ヶ月が経った。

光清は相変わらず、私と仲良くしようと、奮闘中。

ときわは、そんな私達を見て見ぬ振り。

一番困ったのは、そんな私と光清が、まだ付き合っているのだと思っている、光清ファン達だ。


あの水を掛けられた一件以来、光清はファンの子達に、厳しく当たっているらしく、ファンの子達は歯軋りするばかり。

私に何かしようものなら、光清から雷が来るから、手も出せない。

その歯軋りが、そこら中から聞こえてくるのだ。


「はあ~。私達、別れました宣言とかすればいいのかな。」

「えっ?紅葉、そこまで思いつめてるの?」

呑気なときわは、なぜそこまでするのかと、不思議な表情。

「ときわは、嫌がらせとかされた事ないから、分からないんだよ。」

「嫌がらせなら、中学生の時あったよ。」

意外な発言に、私は興味深々。

「光清と付き合った時だと思ったでしょ。」

「違うの?」

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