月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「残念でした。光清と付き合う前。」

聞いた私はがっかり。

なんだ。

私と仲間かと思ったのに。


「なぜか私の事、美少女だって周りが言い出して、やっかみで嫌がらせされたのよ。ホント、いい迷惑だわ。」

ちなみにときわは、自分の事を美少女だと思っていない。

一説には、ときわのお姉さんが、彼女を上回る美少女らしく、幼い頃からそのお姉さんを見ていたときわは、周囲の反応に、どうしても納得できないのだと言う。

「だっておかしくない?見た目であーだこーだ言うなんて。」

私から言わせれば、見た目だけで、あーだこーだ言われてみたい。

それはそれで、大変みたいだけど。

「まあ。そのお陰で、光清と付き合えたんだけどね。」

“付き合えた”

“付き合った”じゃなくて?

微妙な日本語の語彙が、妙に心に引っ掛かってしまう。

「その時は、ときわも光清の事、好きだったの?」

「まあね。」

あっさり認めた。

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