月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「砂漠の国が、何者かの襲われているの!私は助けに行かなきゃいけない!」

すると光清が、私の腕を掴んだ。

「光清?」

「落ち着けよ。そんな大変な時に行って、何するんだ。紅葉に何ができるんだよ。」


何ができる?

私は下を向いた。

「俺の嫌な予感は当たる。今回は、行かないでくれ。」

「今回はって、前回の時も同じ事言ってたじゃん。」

「状況が違う!」

光清に大きな声を出されても、“あの国を助けたい“という想いは、強くなるばかり。

早く。

早く。

あの砂漠の国へ行かなければ!


「よし!ここはジャンケンで決めよう。」

「はあ?」

ときわが私の腕を掴んでいる光清の手を離す。

「ジャンケンで紅葉が勝ったら、私達もその本を探す。その代わり光清が勝ったら、紅葉が潔く引き下がる。」

私と光清の表情が歪んだ。

「何故にジャンケン?」

「あら。この世で最も公正な勝負は、ジャンケンなのよ?」

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