月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
その後3人で探したけれど、一向にあの本は出てこない。

「早く出てきて。」

焦る気持ちを圧し殺した。

「助けてって言ったじゃない!」

何度も何度も見たけれど、日本語の本ばかり。

「ねえ、紅葉。本当にこの棚?」

さすがのときわも光清も、探し疲れてる。


その時、予鈴が鳴った。

「昼休みも終わりだ。」

光清とときわが、顔を合わせる。

「先に行って!私は、隣の棚を探すから。」

私は向かい側の棚に、手を伸ばした。

その手を、光清が掴む。

「授業が始まる。もう行かなきゃ。」

「紅葉。放課後、また一緒に探そう。」

私はなにも言わずに、手を降ろした。

「もう1、2分だけ。そうしたら、教室に戻るから。」

ときわと光清は、私のワガママを受け入れてくれたらしく、先に図書室を出て行った。


その間にも、私はあのアラビア語の本を探す。

「お願い!出てきて!!」

私の頭の中に、あの緑色のペンダントが浮かんだ。

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