月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
その時、頭の中に修学旅行での事が、ふと浮かんだ。

『知り合いに頼んで訳してもらった。』


光清!

光清の知り合いだったら、これが分かる!


私はその本を持って、図書室のドアに向かった。

「あなた!貸し出し簿に名前は書いたの!?」

図書委員が叫ぶ。

「ごめんなさい!後で書きます!」

「ちょっと‼」

追いかけて来ようとする図書委員を振り切るかのように、図書室を出て、教室へと向かったであろうときわと光清を探した。

「光清!ときわ!」

遠くで二人が、キョロキョロしている。

「いた!光清‼」

私の声に驚く二人。

「え?紅葉?」

滑り込むように二人の前で止まった。


「お願い光清!これを訳して欲しいの!」

「この本?」

ときわは、この本を見つけて小さく悲鳴をあげた。

「な、な、何でこの本が!?」

「うわっ!」

続けて光清も驚きながら、後ずさりをした。

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