月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
信頼していた人からの再度の裏切り。

ネシャートさんまで捕らわれてしまっているなんて。

「ときわ、光清。」

私は振り返って、二人の前に立った。

「私、もう一度。砂漠の国へ行ってくる。」

私は真剣に言ったのに、二人は吹き出した。

「えっ?何?笑うとこ?」

「いや。紅葉はそう言うと思った。」

ときわは、うんうん頷きながら、また一人で笑っている。

「俺も今回は反対しない。」

「光清……」

「その代わり。もうその王子様の事で、後悔ないようにして戻って来い。」

なんだか複雑な気分。

「後悔?」

「そう。その王子様が結婚するとこ見れば、紅葉も諦めがつくでしょ。」

ジャラールさんが結婚する。

いや、逆に見たかないよ。

好きな人が結婚するとこなんて。

「で。ついでに、その王子様に紅葉の気持ちを伝えて、振られて来い。」

「ええ!?」

結婚決まってる人に、告白してその上振られて来い?

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