月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「分かった。話してくれる代わりに、約束するわ。」

お母さんの微笑みが、ある意味恐ろしい。

「うん。あのね、話は修学旅行の前日に、遡るんだけど。」

「修学旅行の前日?はい。」

「私、夢の中で砂漠の国へトリッブしたの。」

お母さんの表情が、微笑みで固まっている。

「トリッ、プ。」

「そこで砂漠の国の王子様とその家来、あっ、いや、仲間にあって、宝石を探す旅をしたの。」

「夢の中で?」

「そう。」

お母さんをチラッと見たけれど、まだ真剣な顔をしている。

「宝石は結局、私が持っていて、それを砂漠の国へ持って帰って一件落着なんだけど、そこには悪い人がいて、どうやらその人が、砂漠の国を滅ぼそうとしているの。」

またチラッと、お母さんを見た。

表情どころか、体まで固まっている。

やばい。

私、やってもうた?

「それで……その砂漠の国へ行く為に、どうしても私、眠らなきゃいけないの。それで起こされたら、こっちの世界に戻って来てしまうから、真面目に起こしてほしくないの。」

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