月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「これから、どこに行くの?」

「地下に、避難場所があります。」

「ネシャートさんは?」

「王女は、ザーヒルに捕まりました。どこにいるかは、分かりません。」

私は倒れそうになる体を、なんとか支えた。

「ジャラールさんは?」

「隣の国へいます。遣いをやっていますが、一向に返事はありません。」

兵士のリーダーの話を聞くと、オアシスの精霊が言っていた危機的状況が、理解できる。

「行きましょう。」

リーダーの合図で、私たちは壁にあるドアを開く。

「ここは……」

「知っているのですか?」

私は、大きく頷いた。

「ネシャートさんの侍女の、ラナーに教えてもらった。」

一瞬驚いて、兵士のリーダーは、作り笑いを浮かべた。

「それでは、この階段を駆け降りる事も、慣れておりますね。」

駆け降りるのか。

それはないと思いながら、そんな事を言ってられない状況も理解できる。

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