月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「この後、皆さんはどうされる気ですか?」

周りの人、みんな下を向いた。

「……はっきり言って、ザーヒル様の兵力の方が勝っています。」

「それは……どうして?」

「ザーヒル様は、和が王の侍従。従う兵士も多いのです。」

頭を左右に激しく振る。

「王様の兵力は?そもそも王様はどうしたの?」

「我が王は城の隠れ場所に避難し、兵力を建て直しております。ただ……」

「ただ?」

「ジャラール王子のお供に、3分の1の兵士を送っています。その兵力があれば勝てるのに。」

そこで、私は話の筋が見えた。

だからこそジャラールさんに知らせを送っているのに、一向に返事がないのだ。

あのザーヒルのことだ。

途中でその使いを殺すことだって、厭わないだろう。


「私に行かせて。」

「ク、クレハ様に!?」

周りの兵士達は皆、顔色が青くなった。

「無茶です。クレハ様に何かあれば、我々の命が危うくなります。」

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