月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
もうしばらくでと言ったはずなのに、ナディアさんは急に止まった。

「おおっと!」

ぶつかりそうになった私を、ナディアさんが受け止める。

「急に止まったら、危ないよ!」

「シッ!」

ナディアさんが、少しだけ壁を押すと、光が漏れた。

その光と一緒に、男達の話し声も聞こえる。


「ザーヒル様の兵士達に先を越されたか。」

言わんこっちゃないと思ったけれど、今はナディアさんに従うしかない。

「私があの兵士達を倒すまで、クレハ様はここにいてください。」

「倒すって、何人いるか分からないのに、一人で?」

するとナディアさんが、私をじっと見た。

「ちなみにクレハ様、剣術は?」

「剣術?いや、何も。」

ナディアさんの肩が、ガクッと落ちる。

「ご安心下さい。話し声と足音からすると、相手は二人。私一人で、倒せます。」

「あ、そうですか。お願いします。」

何もできない自分が歯がゆい。

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