月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
「私がお名前をお呼びするまで、この扉を開けてはいけませんよ。」

「はい。」

私が返事をしたと同時に、ナディアさんは扉の向こうへ飛び出して行った。

そして聞こえる断末魔の叫び。

あっという間にナディアさんは、相手の兵士を倒した。


「クレハ様。」

身体が大きくビクつく。

「もう出てきて構いません。」

私は扉をゆっくりと開ける。

そこには人の血が飛び散っていた。

「ひっ!」

腰を抜かして、扉の向こうに行けない。

「クレハ様?」

見かねたナディアさんが、扉を開ける。

「大丈夫ですか?」

「あっ……はい。」

何でだろう。

砂漠で襲われた時も、人が切られて倒れているのを、見ていると言うのに。

でも、あの時はこんなにも夥しい血は流れていなかった。

「人が殺されるのを見るのは、初めてですか?」

「えっ、いや………」

「止めますか?ジャラール王子の元へ行く事。」

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