月夜の砂漠に紅葉ひとひらⅡ【完】
いつの間にか、身体が震えだした。

「もしそんな世界を目にされたくないと言うなら、ここでお待ち下さい。」

「ナディアさんはどうするの?」

「一度乗ったお話です。私一人でも、ジャラール王子の元へ行きます。」

そしてナディアさんは、私にクルッと背中を向け、小屋の出口へ歩き出した。


「待って!」

立ち上がって、暗い道から小屋の中に入った。

「私も、連れて行って下さい。」

「クレハ様……」

まだ、両手が震えている。

でも、せっかくお母さんに事情を話してまでこの国へ来たと言うのに、指をくわえて見ているわけにはいかない。

「どんな事があっても、ジャラールさんの元へ、辿り着きます。」

ナディアさんは、ゆっくり私の方へ、振り向いた。

「ご安心下さい。あなたの事は、私がお守り致します。」

そして私に、膝を付いた。

ダメだなあ。

男の人に“守る”とか言われると、弱いんだよね、私。

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